JR高山駅発着の鉄板&穴場を1日で廻るモデルコース
2025年01月13日(月)/岐阜県
春と秋に行われる高山祭や、昔ながらの町並。さらに世界遺産の白川郷への起点として、高山市には一年を通して多くの観光客が訪れます。
魅力あふれるこの街は、歩くからこそ見えてくる景色があります。とは言え、古い町並だけを見て満足していませんか?高山の良さは、他にもたくさんあります。
そこで今回はJR高山駅発着の鉄板&穴場を1日で廻るモデルコースをご紹介します。J
Contents
【スタート】JR高山駅 8:00頃
出典:薬師のゆ 本陣
旅の起点と言えばJR高山駅。橋上駅舎化されて、飛騨高山観光案内所が駅東口に2017年9月にリニューアルオープン。濃飛バスの発着になるバスターミナルも、観光案内所からすぐ近くです。列車やバスで到着した際にはまずここに立ち寄って、情報を仕入れましょう。
市内で宿泊した場合ならフロントにも散策マップや施設のパンフレットなどが用意されているので、忘れずにゲットしておきましょう。ホテルのスタッフのオススメ店などを聞いておくのも便利。
地元の人が行くレストランやカフェなどは、観光客に意外と知られていない場合がありますよ。
※宮川朝市を満喫するために、朝8:00頃までに出発するのがオススメ
↓ 徒歩5分
<高山駅北交差点からアーケード付きの国分寺通りへ>
飛騨国分寺(見学目安30分)
出典:裏辺研究所
天平18(746)年に創建された高野山真言宗のお寺。駅から徒歩5分の距離にあるにもかかわらず、重要文化財に指定されている立派なお堂や飛騨地方にはここにしかない三重塔があり見応えがあります。しかし多くの観光客は、朝市やさんまち通りなどを目指すので見落としがち。
出典:飛騨経済新聞
高さ28mにもなる大きなイチョウの木があり、国の天然記念物に指定されています。毎年11月中旬になると葉が黄色く色づき始め、一面が黄色い絨毯のようになる落葉の景色も見事です。
出典:フォートラベル
門前には石で造られた「願掛けなでさるぼぼ」があり、頭をなでると頭が良くなるとか。また、自分の治したい体の部位をなでると回復するなどのご利益もあるそう。ぜひ撫でてみましょう。
真言宗に伝わる瞑想法「阿字観」も体験できます。通常は予約制で¥500かかりますが、毎月8日は無料。日程が合えば、ぜひ体験してみてはいかがでしょうか?
↓ 徒歩5分
<宮川に架かる鍛冶橋を渡って、左手の川沿いへ>
宮川朝市(見学目安45分)
出典:コロカル
宮川に架かる鍛冶橋まで来たら、朝市はすぐそこ。毎日7:00(冬期は8:00)から12:00頃までで、川沿いに40店舗ほどのお店が出ています。日本三大朝市の1つで、江戸時代から桑市や米市などが発達し現在のような形ができ上がっていったと言われます。
出典:KOSUBLOG
飛騨地方は果物の栽培が盛んに行われていて、朝市にはリンゴやブドウなど旬の果物も販売されます。また野菜や漬物、手作りの民芸品など見ているだけでも楽しくなるお店が並んでいます。朝市の通りを歩いていると、食べ歩きにピッタリのグルメにも出会えます。
出典:GiFUMATiC -ギフマチック
「かじ橋食堂」の桃ソフトクリーム、「コマコーヒー」のカップ型のビスケットにエスプレッソを注いだ食べられるエスプレッソ、「右衛門横丁」の飛騨牛まん、さらにタコ焼きにコロッケなどなど。高山の観光を語るうえで欠かせない宮川の朝市は、ショッピングもグルメも揃っています。
↓ 朝市見学後、すぐ
<弥生橋角の飛騨地酒蔵の前から、古い町並み・大新町方面へ>
吉島家住宅・日下部民藝館(見学目安45分)
出典:フォートラベル
鍛冶橋から弥生橋まで続く朝市を見学した後は、そのまま吉島家住宅まで足を延ばしてみましょう。朝市の賑やかさとは違い、この建物を前にするとタイムスリップしたかのように時が止まって見えます。
出典:囲炉裏・火鉢・七輪のうんちく
かつては造り酒屋を営んでいた吉島家住宅。1905年の火災で焼失したため、現在の建物は1907年に再建されたもの。一歩中に入ると、匠の技を随所に垣間見れます。繊細で、緻密に計算された土間の吹き抜けや見事な梁。外の明かりが差し込むと、一刻一刻と趣を変えていきます。美しい中庭を眺めて、ホッと一息。
出典:さんち 〜工芸と探訪
隣接の日下部民藝館は、1879年に建てられました。日下部家は幕府の御用商人として栄えた商家で、現在は建物内を一般に公開し歴史を紹介しています。どっしりと重厚な外観、中に入って天井を見上げると大きな梁と開放的な吹き抜けの空間が広がっています。
当時の生活を窺える囲炉裏や仏壇、花嫁衣裳など見どころも満載。毎年3月3日から1ヶ月間は、明治雛の段かざりを展示。日下部家に嫁いだ際に嫁入道具として持参されたものなど、歴史を感じる雛人形を見れます。
時間があれば、ぜひ2ヶ所とも見ていきましょう。どちらも重要文化財に指定されていて、一見の価値ありです!
↓ 徒歩5分
<下二之町・大新町の古い町並みを歩いて、櫻山八幡宮の表参道へ>
櫻山八幡宮・高山祭屋台会館(見学目安40分)
出典:アジアバックパッカートラベル
高山市の一番大きなイベントと言えば「高山祭」。毎年4月14・15日の春祭と、10月9・10日の秋祭の2回行われます。国の重要無形民俗文化財に指定、またユネスコ無形文化遺産にも登録されています。
出典:BIGLOBE旅行
春は日枝神社、秋は櫻山八幡宮の例祭で、それぞれで使用される屋台も全く異なります。櫻山八幡宮の境内にある高山祭屋台会館では、秋祭に使用される屋台11台のうち、3月・7月・11月に入れ替えをしながら常時4台を展示しています。
出典:トレンド速報ニュース
屋台の実物を常設展示しているのは高山祭屋台会館だけで、お祭り当日に高山へ出かけることができなくても、ここを訪れればその雰囲気を充分に味わえます。見学後には、櫻山八幡宮へも忘れずに参拝していきましょう。
↓ 徒歩3分
<途中には1/10スケールの日光東照宮模型を展示する「桜山日光館」も>
飛騨高山獅子会館からくりミュージアム(見学目安30分)
出典:フォートラベル
全国各地から集められた約300点の獅子頭を展示し、からくり人形の実演を行う施設です。高山市内の観光では、正直あまりメジャーな場所ではないかもしれません。
出典:i.rubese.net
しかしからくり人形の繊細な動きやダイナミックな動きは、なかなか見ることはできません。一見シュールですが、その歴史は意外と奥深い。時間が許せば立ち寄ってほしい場所です。
開館中は随時公演を行っていて、恵比寿様が筆で文字を書いたり、大黒様の獅子舞や角兵衛獅子が見事な空中ブランコを披露します。
おみやげ処もあり、赤かぶら漬けや朴葉みそ、高山ラーメンに地酒など、飛騨地方の名物を販売しています。
↓ 徒歩10分
<時間があれば高山の歴史や文化がわかる「飛騨高山まちの博物館」へ>
古い町並(見学目安90~120分)
出典:格安旅行ナビ
高山市内の散策のメインともいえる、古い町並の散策。やはり、ここを外すわけにはいきません。上町と下町それぞれに三筋あり、特に上一之町~上三之町エリアを主に「さんまち通り」と呼んでいます。
どちらも重要伝統的建造物保存地区に選定されていて、その町並は国にとっても非常に価値が高いと評価されています。
出典:BIGLOBE旅行
市内で最も観光客が集まる場所なので、いつも賑わっています。江戸時代末期から明治にかけて建てられた商家や、杉玉を軒先に下げている造り酒屋などが残り、ひと昔前の時間へタイムスリップしたような感覚に。オシャレなカフェやお土産物店などもあり、歩き疲れた時の休憩やショッピングも楽しみ。地元グルメも満喫できるのがこのエリア。
出典:飛騨高山観光協会
上一之町エリアなら、飛騨の銘酒として知られる久寿玉の蔵元「平瀬酒造店」がオススメ。高山にある蔵元の中で最も古く、創業は1623年と記録されています。試飲をしたり、好みを伝えてオススメのお酒を聞いてみましょう。
散策中でもしっかりと食事を取りたい方は、フレンチレストランの「旬亭なか川」へ。古民家を利用し、店内もクラシカルで落ち着いた雰囲気。平日ならお得なランチメニューもありますが、タンシチューや飛騨牛のハンバーグなどもぜひ味わってみたい。
出典:食べログ
上二之町なら寺田農園のアンテナショップ「庄兵衛さん家のとまじゅう」がイチオシ!桃太郎・フルティカ・ピッコラルージュの3種のトマトでそれぞれ作ったトマトジュースの飲み比べや、テイクアウトで飲みながら街の散策もOK。気に入ったらもちろんお土産としても購入できます。
出典:トリップアドバイザー
上三之町なら「じゅげむ」の飛騨牛串焼きや、「坂口屋」「飛騨こって牛」で飛騨牛の握りがいただけますよ。「藍花珈琲店」では、この後の観光のために一休みを。白壁の蔵を使用したお店は、店内もレトロな雰囲気が漂っていて、素敵な空間。こちらでは、抹茶を使ってカプチーノ風に仕上げた茶プチーノをぜひ試してみて!
↓ 徒歩5分
<宮川に架かる赤い中橋を渡ってすぐ>
高山陣屋(見学目安30分 ※説明付きなら60分)
出典:飛騨高山『高山本町2丁目商店街』
中橋の周辺には桜の木が多く、ちょうど春の高山祭の時が見ごろ。橋の上を絢爛豪華な屋台が進んでいく様は見事です。
高山陣屋は全国で唯一現存する郡代・代官所で、1929年に国の史跡に指定されています。江戸時代に飛騨が幕府の直轄地となり、役所が置かれたのち陣屋と呼ばれるように。
出典:飛騨高山の旅行観光ガイド
こちらでも朝市が行われていて、宮川朝市同様で7:00(冬期は8:00)から12:00頃まで。オススメのルートで来ると間に合いませんので、陣屋前朝市が目的の方は逆順で進めていただくといいと思います。
朝市を見た後は陣屋の外観写真だけ撮って帰ってしまう方が多いのですが、ぜひとも内部を見ていってほしい!
出典:くまメモ!
建物の柱には釘隠しのための装飾が施されていて、そこには真向きの兎のモチーフが付けられています。畳の縁が身分によって異なる造りになっていたり、罪人を裁くための御白州や囚人を運んでいた駕籠があったりと時代劇で見るような珍しいものが残されています。無料の説明案内があるので、より詳しく教えてもらいながら見学してみて下さい。
出典:てーぶるすぷーんの気まぐれ日記 – クックパッドブログ
見学後は、陣屋前の交差点角にある陣屋だんご店に寄って小腹を満たしましょう。こちらでは高山のソウルフード「みたらしだんご」がいただけます。一般的な甘いみたらしだんごではなく、醤油味の高山スタイル。
表面は焼き目が香ばしく、中はモチモチ!市内各所で売っていますが、陣屋だんご店はかなりの人気店。ぜひ、駅までの帰り道のお供にどうぞ。
↓ 徒歩10分
<旅の仕上げを高山ラーメン「豆天狗」でシメるなら徒歩2分>
【ゴール】JR高山駅 16:00頃
出典:タビチカ
もし途中でランチを食べ損ねてしまっても、高山陣屋から高山駅までの途中に1948年創業の豆天狗というラーメン店があります。
こちらではとんこつや鶏ガラ、野菜や煮干しなどを長時間煮込んでできたダシに秘伝のタレを加えて作るスープに自家製の細い縮れ麺を合わせた中華そばが人気。また2006年に、高山ではその当時まだ珍しかったつけ麺を初めて出したのも豆天狗。こちらは自家製極太麺で楽しみます。
最後に・・・
出典:フォートラベル
・モデルコースは比較的平坦な道のりですが、履き慣れた歩きやすい靴でお出かけを!
・徒歩以外の移動なら市内を周遊する「さるぼぼバス」「まちなみバス」が便利で、1日または2日間フリー乗車券がお得です
・トイレは各所にありますので心配無用!
ルート外にも見どころやカフェ、お土産物屋などもたくさんあるのでちょっと寄り道してみるのもいいですよね。
ゆっくりと古い町並を歩きたいなら、開いていないお店が多いのですが朝早い時間帯がベスト。人があまり歩いていないので写真を撮るのにもピッタリ。その場合はルートの逆順で進むといいかもしれません。
歩いて廻るからこそ見えてくる本当の高山の景色に、ぜひ出会いに行ってみませんか?
※各施設の営業時間や定休日、料金などはHPなどでご確認下さい。