
大月町柏島の見どころ!海の生き物とサンゴの楽園
2019年04月07日(日)/高知
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大月町柏島とは?
出典:大月町
高知県幡多郡大月町にある柏島は四国の太平洋側、東西に長い高知県の西の端に位置しています。羽田空港から高知県の「高知龍馬空港」まではおよそ1時間半のフライトですが、高知龍馬空港から大月町の柏島周辺までは自動車で移動して3時間以上を要します。
周辺で唯一の幹線道路である国道321号線から外れると交通量はぐっと減り、柏島近辺に至ると熱帯を思わせる植物が茂った山々が頭上に続き、道路から下を見下ろせば波打ち際まで花崗岩の崖が続く景観です。最近開通したと言うトンネルを抜けると、コバルトブルーの海の中に橋でつながった小さな島が見えます。それが柏島です。この柏島周辺の海には、種類も量も豊富な海の生き物が暮らしています。
そこで今回は海の生き物とサンゴの楽園が素晴らしい大月町柏島の見どころを一挙ご紹介いたします。
①ダイビングスポット
出典:DroneTimes
柏島は大月の海岸線が大きく西に突き出した先端にある小さな島です。さらに沖合には沖ノ島という離島も存在します。柏島は陸地と橋でつながっており、陸に面した部分に集落と船溜まりがあります。この船溜まりからダイビングショップ等が船を出していますが、最も近いダイビングスポットは船溜まりから島を挟んで反対側の海岸からわずか数十メートルの場所にあります。シュノーケリングを楽しむ人たちは、船を使わずに民宿から歩いて5分ほどの島の反対側の海岸に行き、直径1mほどの丸石が無数に転がる海岸からエントリーします。
自力で泳いでテーブルサンゴが広がるダイビングスポットにたどり着けるのです。ダイビングスポットの海水は透明度が高く、テーブルサンゴやミドリイシ等の造礁サンゴが広がっています。そこではチョウチョウウオやルリスズメダイ、ツノダシ、ナンヨウハギ等の熱帯魚が群れを成して泳ぎ、サンゴの間に定着したイソギンチャクの周辺にはクマノミも見られます。もちろんダイビングスポットは他にも沢山あり、2泊3日程度の日程では沖ノ島の北側や柏島南北の海岸にそって点在するダイビングスポット全てをめぐるのは不可能です。それぞれのダイビングスポットは海底が砂地であったり、あるいは海底トンネルがあったりと特徴があり、いつかはコンプリートしたいと思わせるエリアです。
②クマドリカエルアンコウ
出典:ズカンドットコム
「クマドリカエルアンコウ」とは聞きなれない名前かもしれませんが、柏島周辺を訪れるダイバーの間では人気者です。クマドリカエルアンコウは名前の通りアンコウの一種で、胸鰭と腹鰭が足のように進化しており、泳ぐのは苦手です。
この「足」を使ってヨチヨチと海底の岩の上を歩く姿が人気の的。クマドリカエルアンコウの体色はベースカラーが白色でそこに鮮やかな赤色のラインが入ります。この模様が、歌舞伎役者の隈取りに似ていることが名前の由来です。クマドリカエルアンコウはアンコウというだけあって、魚を捕まえるための釣り竿と疑似餌をちゃんと持っています。この疑似餌を使って餌の魚をおびき寄せ、一気に捕食するのだそうです。ダイビングスポットで見つけることができたら、その愛らしい姿を楽しみましょう。
③民宿が提供する海の幸
出典:livedoor Blog
ダイビングを楽しむために柏島を訪れると、地元の民宿に宿泊することになります。そこで楽しみなのが、海の幸をふんだんに使った食事です。ある日のメニューを紹介すると、刺身が紋甲イカとカンパチそしてトコブシの三種盛りでした。トコブシは地元ではナガレコと呼ぶそうで、磯の香りが豊かで歯ごたえのある食感が美味。そして新鮮なカンパチと紋甲イカの柔らかく甘い食味が絶品でした。
そして焼き物がイサギの塩焼き、加えてマンボウの肝煮という珍しい料理も登場しました。脂ののったイサギの塩焼きは絶品。マンボウは魚というよりも貝などに似た食感で、つぶした肝で味を着けた珍味でした。
最後に岩場についている海藻「フノリ」を使った野菜のかき揚げと、魚のあらで出汁を取った潮汁でご飯を頂きました。サクッとした食感のかき揚げはフノリの海の香りが漂い海の幸を堪能することができました。その時に取れた海の幸を現地で味わうのは最高です。
④エビの模型でイカを釣る
エギングの魅力柏島で宿泊した夜、泊っている民宿の周辺を散歩すると、船溜まりや防波堤で竿を振る地元の方の姿が見られます。中にはほかの地区から自動車で来たと思われる方も。彼らが狙っているのは高級食材「アオリイカ」です。イカ釣り専用に使われる、餌木と呼ばれる日本の伝統的なルアーを使ったエギングをしているのです。
釣り人達は、餌木を着けたラインを投げ込むとしばらくの間リールをフリーにしてカウントダウン。餌木が海底に着くのを待っているのです。餌木が海底に着くと、今度は竿を垂直まで振り上げ、竿先の動きでアクションを着けながらリールを巻きしばし待つ。この動きを繰り返して海底に潜むイカを探していくそうです。ルアーである餌木にイカが飛びつくと、ずしりとした手ごたえがあるそうで、針でイカの身が切れないようにゆっくりとリールを巻き上げて取り込みます。目の前で釣り上げた人がいたので獲物を見せてもらうと、スルメイカよりもがっしりとした雰囲気のアオリイカが墨を吐いて抵抗中。その体は透明な中に緑や黒の模様が混じった美しい色でした。アオリイカは刺身にして食べることが多いとのこと、その身は柔らかく甘みが強いと言います。差の船溜まりを歩いて、岸壁の上に黒いシミを見かけたらそれは釣り上げられたイカの墨の跡。誰かが美味しいイカの刺身をゲットした証拠です。
⑤船釣り体験in黒潮実感センター
出典:orquesta.org
柏島にはNPO法人の黒潮実感センターがあります。黒潮実感センターは海洋生物の宝庫である柏島の魅力をより多くの人に知ってもらい、共に育んでいくために設立されたとのこと。海洋生物の調査研究や、研究成果をまとめたシンポジウムやセミナーを開催する傍らで様々な体験イベントを開催しています。その一つが底が透明なカヌーでサンゴ礁の海中観察を行ったり、磯の生き物を捕まえて料理して食べる企画を行ったりと、家族連れでも楽しめる企画を沢山行っています。中でもクルージングして船釣りを行い、釣った魚を料理して食べる企画などは釣りに詳しい人でないと不可能な内容を一般の参加者に体験させてくれる得難い企画です。魚が豊富な柏島周辺の海なので、素人でも50cmを超えるタイを釣り上げる感動を味わうことが可能です。子供と一緒に柏島の魅力を、満喫したいならぜひ活用したい施設です。
柏島の見どころまとめ
高知県幡多郡大月町の柏島は交通のアクセスの悪さを補って余りある沢山の魅力があり、もう一度訪れたいと言うリピーターが沢山います。
・ダイビング派には透明度の高い海に広がるサンゴの群落が待っており、そこでは他では見られない希少な海洋生物と遭遇することもできます。
・宿泊は素朴な民宿となりますが、そこでは素材勝負の豪快な海の幸を味わうことができます。
・フィッシング派にとっては魚種が豊富で、様々なタイプの釣りを体験することができるスポットです。
・子供がいる家族にとっても黒潮実感センターの企画に参加することで自然に触れあいながら楽しむことが可能です。
目的に応じて様々な楽しみ方ができる柏島。あなたもその魅力を味わってみませんか。