インドネシア2大世界遺産ボロブドゥール、プランバナン観光の見どころ
2024年10月08日(火)/インドネシア
インドネシアのジャワ島に聳える石造建築物「ボロブドゥール」と「プランバナン」は、世界三大仏教遺跡と1つに数えられ、ユネスコの世界遺産にも登録されております。毎年多くの観光客がここを訪れ、仏教の壮大さと不思議な魅力に取りつかれております。そんなインドネシアを代表する2つの仏教遺跡「ボロブドゥール」と「プランバナン」の魅力についてご紹介したいと思います。
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仏教遺跡「ボロブドゥール」と「プランバナン」へのアクセス
両遺跡は比較的近隣に位置するため、1日で周ることも可能です。両遺跡への起点となる街が「ジョグジャカルタ」です。日本からは直行便は出てませんが、ジャカルタやテンパサール(バリ島)など直行便が出ている都市から毎日多くの便が出ておりますのでトランジットしやすいです。
ジャグジャカルタから両遺跡へはトランスジョグジャと言われるローカルバスが毎日頻繁に運行されておりますので簡単にアクセスできます。が、両遺跡を結ぶバスは運行されておりませんので、どちらに行くにしても一度ジャグジャカルタを経由することになります。ボロブドゥールへは所要時間は1.5時間、料金はRp.25,000、プランバナンへは所要時間は45分、料金はRp.3,500となります。
効率よくジャグジャカルタを周るにはチャーター車が一番
先にも述べましたが、両遺跡間を結ぶ交通機関はありません。そのため、効率よく周るにはチャーター車を使うのが一番です。起点となるジャグジャカルタには多くのツアー会社があるため、そこで車をチャーターできます。
自分で直接交渉するのも良いですが、事前にホテルに伝えておければチャーターしてくれます。ホテルまで送迎してくれて快適で安全です。料金も比較的割安のため効率良く周りたい方はぜひとも利用しましょう。ポイントを絞れば両遺跡を1日で周ることができます。
日の出ツアーに参加しよう
チャーター車を利用するならぜひボロブドゥールの「日の出ツアー」に参加しましょう。ボロブドゥールでは朝陽を見れるよう、早朝から観光客向けに施設を開放しております。バスで行く場合には日の出時刻に間に合うような便は出ておりません。チャーター車の場合は早朝4時に出発し、5時ぐらいに到着します。早朝の起床がつらいという場合は、遺跡まで徒歩5分で行ける「マノハラホテル」に宿泊すると良いでしょう。朝の光を浴びた遺跡の姿はとても幻想的です。天候の問題で残念な結果になる場合もありますが、早起きした分、他のスポットを周る時間に充てて、効率よく周っていきましょう。
密林に潜むボロブドゥールのミステリアスな外観
緑が生い茂る参道を進むと、巨大なボロブドゥール遺跡の全貌が姿を現します。直径123メートルになる正方形の祭壇、頂上聳える巨大なストゥーパがひょっこりと見え、その姿、大きさに圧倒されるでしょう。約200万個とも言われる石が何層にも積み上げられ、壁には精巧なレリーフ(浮き彫り)とカウイ文字と言われる古代文字が刻まれております。
無の世界を表現するストゥーパと幸福の仏像
ボロブドゥール遺跡の魅力の1つが釣り鐘のような形をした奇妙なオブジェ「ストゥーパ」ではないでしょうか?遺跡の階段を徐々に登っていくと、突如視界が開け、大小様々なストゥーパの数々が姿を現します。
それぞれ層で窓の形が違っており、これは不安定な俗世間の人々の心模様を表現しており、それが最上層にある窓のない大ストゥーパへと収束していきます。とてもミステリアな光景ですが、これは人々の煩悩をやがて「無の世界」へと導いていく様を現しております。ストゥーパの中に紛れて幸福の釈迦阿弥陀仏像があり、右手の薬指に触ると願い事が叶うと言われておりますが、貴重な文化資源なので、極力仏像に手を触れるようなことはやめましょう。
総延長5キロメートルに及ぶレリーフと古代文字
遺跡の壁には膨大なレリーフと古代文字を見ることができます。その長さは直線にすると5キロメートルにもなります。そして彫られたレリーフには1万人以上の人が登場します。どれも保存状態が良く、その精巧なレリーフの数々にはただ圧倒されるばかりです。
レリーフは遺跡の第一回廊から第四回廊までびっしりと彫られており、まるで芸術の森に迷い込み方法感覚すら失くしてしまいます。特に注目すべきは第一回廊です。ブッダの半生を綴った物語が彫られており、ブッダが厳しい修行に入る図、悟りを開く図などを見ることができます。全てを見て周るととても1日では終わらないので、第一回廊だけでも見て周る良いでしょう。
ヒンドゥー教と仏教が二つの宗教文化で構成されるプランバナン
プランバナンはヒンドゥー教と仏教の寺院が同じ敷地内にある珍しい遺跡です。古くから宗教の違いを超えてお互い教徒が親交を深めていたことが良く分かります。主な見どころが集中するのが「プランバナン寺院史跡公園」で、その近隣にいくつもの寺院が点在しております。園内の遺跡をじっくり見て周るのであれば最低2時間以上は必要です。レンタサイクルもあるので快適に周れます。ヒンドゥー教と仏教二つの寺院の違いを比べながら遺跡を見学するとより楽しめるのではないかと思います。ここでは両宗教の寺院を1つずつご紹介したいと思います。
ロロ・ジョングラン寺院
プランバナン寺院史跡公園内を入るなり、すぐに目に入ってくるのが、天高く突き抜けるようにそびえ立つ「ロロ・ジョングラン寺院」です。ヒンドゥー教寺院としてはインドネシア最大の寺院になります。中心にそびえ立つ堂がシヴァ神殿で、その高さは47メートルにもなります。外壁には古代インドの叙事詩ラーマヤナの物語をモチーフとしたレリーフが緻密に彫られております。寺院の中には東西南北にシヴァ神に関する象が祀られております。シヴァ神殿の左右にはそれぞれブラフマ神殿、ヴィシュヌ神殿が並び、さらに向かい側には3つのヴァーハナ堂が並んでおります。ヴァーハナ堂には神の乗り物である牡牛、白馬、ガルーダが対峙する形で祀られております。
セウ寺院
史跡公園の北側にある「セウ寺院」は、ロロ・ジョングラン寺院を代表とするヒンドゥー教文化の建物が点在する中で、仏教的要素を多く含んだ寺院です。主堂に入るとまず武器を手にした威圧的な像「守護神クベラ」が待ち受けております。そして主堂内へ入っていくと、古代ギリシャ神殿を思わせる柱があり、外壁にはイスラム文化的な装飾が彫られております。いろんな文化が融合した建物は、そのルーツがどんなものになっているか大変興味が湧いてきます。
遺跡巡りが終わったらジョグジャカルタ市内を散策しよう
遺跡巡りは要所だけに絞って行けば、昼頃には見終わるため、午後はジョグジャカルタ市内を散策する時間に充てることもできます。遺跡も素晴らしいですが、ジョグジャカルタも様々な文化の名残がある古都です。街はいつも観光客で賑わっており、多くの屋台や市場が軒を連ねております。また古来より伝わる伝統芸能も楽しめます。物価も安いのであまりお金のこと気にしなくても良いでしょう。
まさしく迷宮!ブリンハルジョ市場
1日中買い物客で賑わう大市場。一度中には入ればそこはまさに迷宮です。食品、衣料品、電化製品、食堂街、はたまた骨董品に至るまで、生活必需品の全てがここに集まっております。どこか懐かしさに感じながらも、物珍しさも体験できる大変面白い場所です。ざっと全部見て周るだけでも1時間以上は掛かってしまいますが、まったく飽きが来ないです。
地元料理を味わおう
多くの美味しい料理を味わうことができるジョグジャカルタですが、まず味わっていただきたいのがジョグジャカルタ名物の「ナシ・グドゥッ」です。インドネシア版チャーハンと言ったところで地元のソウルフードです。ご飯の上に鶏肉や卵などのトッピングを合わせて食べます。専門店が多く並ぶ「ジャラン・ウィジラン通り」のお店で食べると良いでしょう。
伝統芸能を満喫しよう
王朝文化の伝統を受け継ぐジョグジャカルタでは、毎日のように伝統芸能を見ることができます。郷愁漂うジャワの影絵芝居「ワヤン・クリッ」や、きらびやかな衣装に身を纏った踊り手たちが、ラーマヤナの物語の世界へと誘う「ラーマヤナ舞踊」などがあります。いずれもインドネシアの伝統音楽「ガムラン」に乗せてエキゾチックな雰囲気を演出してくれます。これらは屋外や劇場で見ることができます。特におすすめなのは、レストランの食事と演劇鑑賞が同時に楽しむことができる「プラウィサタ劇場」です。伝統のラーマヤナ舞踊に現代のミュージカル的な要素も取り入れた「ガムランミュージカル」は一見の価値ありです。
まとめ
ヒンドゥー教と仏教が交錯するボロブドゥールとプランバナンの遺跡は、迫力十分で大変見応えがあります。また城下町であるジョグジャカルタも併せて周れば大変効率が良く、短時間の海外旅行でも十分に楽しめるでしょう。あまり長く休みが取りづらい方にとっては、ついつい身近な中国や韓国になってしまいがちですが、今回ご紹介したところは2泊3日の弾丸旅行だって可能です(できれば3泊4日が良いですが)。ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?