海外LOVERS

かつての紛争地帯コソボ!今はすっかり平和な観光スポットをご紹介

2018年10月02日(火)/コソボ

Pocket

コソボという皆さんはどのようなイメージを持つでしょうか?紛争、貧困、危険、難民、ど空爆、そもそもどこにあるの?というようなあまり良いイメージは出てこないかもしれません。かつては独立を巡り激しい内戦が繰り広げられ、街は焦土を化しました。しかし、2008年に独立を宣言したのち、コソボは急激な復興を遂げております。まだまだ危険な負のイメージが付きまとうコソボですが、観光客を受け入れる土壌が徐々にできており、十分な魅力もあります。そんなコソボの見どころをいくつかご紹介したいと思います。

コソボってどこ?どうやっていくの?

コソボは東ヨーロッパのバルカン半島の内陸に位置し、周辺をアルバニア、セルビア、マケドニア、モンテネグロに囲まれております。どこも位置関係が分からないという方もいらっしゃると思いますので、あえて言うならギリシャの北、クロアチアの東辺りにあると思って頂ければ良いでしょう。国の面積はわずか10,887平方キロメートルで、周囲諸国と比較しても一際小さいこと国です。日本からの直行便はありません。首都プリシュティナのプリシュティナ国際空港へはトルコやオーストリア経由で行くことができます。コソボには国内線がなく、鉄道もほとんど機能していないため、国内の移動はほぼバス移動となります。

コソボ紛争と独立

コソボ

コソボは過去600年間、オスマン・トルコや旧ユーゴスラビアのセルビアによって占領されていましたが、ユーゴスラビア解体の機に独立運動が盛んになってきました。そもそもコソボはセルビアの自治区ではありましたが、その住民のほとんどがセルビア人ではアルバニア人でした。民族的な対立が続き、やがて紛争へと発展していきました。NATOの介入、その後アメリカやEUの支援を受けて2008年に独立しました。しかし、隣国のセルビアをはじめとする独立問題を抱えている多くの国々は、未だにコソボを国として承認しておりません。特にセルビアとの確執は埋めがたいものがあり、コソボからセルビアに入国しようとする不法侵入者扱いとされてしまうので気を付けましょう。現在までにコソボを国として承認している国は109か国に留まっております。ちなみに日本は承認しておりますので、ここでは国としてご紹介したいと思います。

チャルシャ・ジャミーヤ

チャルシャ・ジャミーヤ

首都プリシュティナの旧市街入口に位置するチャルシャ・ジャミーアは、旧市街の入口の目印であり、イスラム教モスクが多く点在するプリシュティナの中でも最も歴史のあるモスクです。その歴史は14世紀ごろに、この地で戦いに勝利したオスマン朝のムラト1世によって建設されました。ここを起点にして近隣のモスクや時計塔などの歴史的建造物を見て周ると良いでしょう。

マザーテレサ大聖堂

マザーテレサ大聖堂

首都プリシュティナにある「マザーテレサ大聖堂」は、貧しい人々の支援に人生を捧げたマザーテレサのために建てられた大聖堂です。プリシュティナの繁華街であるマザーテレサ大通りの南端にあります。もともとイスラム教のモスクが多くあるプリシュティナにあって、カトリック教会が建てられるというのはマザーテレサがどれだけ偉大な人物であったかが分かります。観光客の見学も可能で、内部は荘厳なイメージの装飾が施されております。また隣接する塔に登れば(料金1ユーロ)、プリシュティナ市内を一望することができる展望スポットです。

国立図書館

国立図書館

プリシュティナで最も現代的で目を引く建物と言えば「国立図書館」でしょう。ルービック・ キューブを思わせる建物の上にプラネタリウムのようなドーム屋根を置いたユニークな構造となっております。この斬新なデザインの建物は、近くにあるマザーテレサ大聖堂の高台から見ると、よりその異様な姿が目立ちます。周辺の建物とは明らかに異なるアンマッチさが見どころです。図書館ですので当然中の本を読むことができますが、全てアルバニア語のためアルバニア語を習得していないと何が書いてあるのかは分かりません。日本人には大分ハードルが高いですね。

救世主キリスト大聖堂

救世主キリスト大聖堂

プリシュティナの「救世主キリスト大聖堂」は、セルビア正教の教会です。見た目は大分年期が入ってそうな建物ですが、実は以外に新しく、1995年に建設をスタートしましたが、その後のコソボ紛争の影響で建設中止となってしまい、現在も未完成のまま廃墟と化してしまいました。すぐ隣には現代的な構造の国立図書館があり、レンガ造りのこの教会は実に対照的な佇まいとなっております。廃墟マニアには堪らない建物です。

マザー・テレサ通り

マザー・テレサ通り

「マザー・テレサ通り」は、プリシュティナで一番賑わっている繁華街です。ここに来ればコソボ=負のイメージというものは吹き飛ぶでしょう。本当にここで紛争があったのだろうか?と思ってしまうほど、ここには多くの飲食店、オシャレなカフェがあり、現代的なショッピング街もあります。大変雰囲気が良く、毎日多くの現地人住民で賑わっております。下手すると半日はここだけで楽しむこともできるでしょう。

ビル・クリントン元アメリカ大統領の銅像

ビル・クリントン元アメリカ大統領の銅像

プリシュティナには「ビル・クリントン通り」と呼ばれる通りがあります。ここには元アメリカの大統領「ビル・クリントンの銅像」が立っております。クリントン元大統領はコソボ独立の尽力した人物としてコソボ国民から大変尊敬されております。アメリカは独立間もないコソボを世界で一番最初に国家として承認した国として知られております。

HILLARY

銅像のすぐ近くには「HILLARY」という妻であるヒラリー・クリントンに由来するドレスショップもあります。

シナン・パシャ・モスク

シナン・パシャ・モスク

コソボ南部最大の都市である「プリズレン」は、かつてローマ帝国やオスマン朝など、様々な王朝に支配下にあった時代もあり、異文化や異民族が混在する街で、それら時代の建物が数多く残るエキゾチックな街です。そんなプリズレン旧市街の中心にある「シナン・パシャ・モスク」は、オスマン朝時代に建てられたモスクで、街で一番美しくシンボル的な存在です。建物の外壁にはトルコ語でいろいろ書かれておりますが、残念ながら何と書いてあるかは分かりません。礼拝の時間になると多くの信者が祈り捧げにこのモスクを訪れます。礼拝の時間以外は観光客も見学可能なのでぜひ内部の美しい装飾を堪能してください。

ウラグリ

ウラグリ

プリズレン観光の目玉で一番のフォトスポットと言われているのが「ウラグリ」です。ウラグリとはアルバニア語で「石橋」を意味します。15世紀にオスマン・トルコの支配下にある時に造られた橋ですが、一度洪水で流れており、現在の橋は再建されたものです。ここからはシナン・パシャ・モスク、セルビア正教会、城塞、旧市街を一度に写真に収めることができ、コソボを紹介する場合に、多くメディアがここの景色を採用しております。

プリズレンの城壁

プリズレンの城壁

プリズレン観光一番のハイライトとも言えるのが「プリズレンの要塞」でしょう。要塞と呼ばれるだけあって当時の軍事目的で造られたものです。バルカン半島の国々の要塞と言えば、クロアチアのドブロブニクやモンテネグロのコトルがありますが、プリズレンの要塞もとてもインパクトのある巨大な城壁です。それにも関わらず入場料はなんとタダ!何故かというとそれは非常にアクセスが悪いからに他ありません。要塞までの道はお世辞にも整備されていると言い難く、足場の悪い急な坂道を息を切らせながら登っていくことになります。シナン・パシャ・モスク近くから「Kalaja(城)」とアルバニア語の手書きで粗末に書かれた標識を目印に登っていきます。

セルビア正教会

プリズレン要塞に行く途中には朽ち果てたセルビア正教会があります。これはオスマン・トルコ支配時に破壊され、19世紀に改修を試みたが断念し、今は天井がない状態になっています。現在の個人で所有されているため、入口に鍵がかかっており中に入ることができませんが、運よくオーナーがいる場合はお金を払えば入場できるとのことです。

プリズレンの街並み

20分ほど険しい道のりを登ったあとは、その甲斐があると思えるような景色が待ち受けております。要塞からは、プリズレンの街並みを一望することができ、この眺めは一級品です。要塞の中身は現在改修中で新旧入り混じった状態ではありますが、ここからの眺めは何物にも代えがたいです。しばらくここからの景色に目を奪われてしまうでしょう。苦労して登るだけの価値はあります。

ペーチ総主教修道会

ペーチ総主教修道会

コソボの西に位置する街ペーチ(ペーヤ)では、昔ながらのバザールがある一方、近代的なデパートがあったりもします。ペーチで最も有名な観光名所が、世界遺産にも登録されている「ペーチ総主教修道会」です。中心街からは徒歩で20分程度、ルゴヴァ渓谷の入口付近にあります。13世紀に建造されたこのドーム型の教会は、セルビア正教会の歴史と芸術遺産を今に伝えております。まず目を惹くのは鮮やかな赤色の外壁です。このような色をした教会は大変珍しく、当時多くの芸術家がここ拠点に活動していただけあって、先進的かつ高い芸術性が見て取れます。そして内部のフレスコ画やイコンの見事さは、一見の価値ありです。特に「生神女就寝祭のイコン」は見応え十分です。

コソボ料理とは?

ケバブ

コソボではどんな食べ物があるのでしょうか?バルカン半島の全体言えることではありますが、一言でいう「肉」です。代表的な肉料理として「ケバブ」があります。しかし、コソボのケバブは、よく日本の屋台で見かけるトルコ風の「ドネルケバブ(ローストされた肉をスライス状にしてパンに挟んで食べる)」ではなく、人差し指程度の長さのソーセージのようなものです。これが一人前で大体10本あり、サラダが付いてきます。コソボはイスラム教の影響を受けているため大抵は牛肉が使われます。味は少ししょっぱめで言ったところです。これと飲み物にヨーグルトを頼むに一般的です。ヨーグルトというとブルガリアをイメージしますが、バルカン半島全体でよく飲まれています。

まとめ

かつて紛争地帯であったコソボですが、今はすっかり平和です。セルビアとの国境沿いなど一部の地域ではまだ治安が良くないところもありますが、見どころも多く、人々もフレンドリーです。ただ交通網が十分に発達しているとは言い難く、移動はバスのみと言って良いでしょう。本数もそれほど多くはないので、一本逃すと旅程に大きく支障をきたすので、効率良く周るためには時間管理をしっかりしましょう。