
奈良県で観光客にお勧めしたい郷土料理を厳選
2020年03月16日(月)/奈良
奈良の大仏がある東大寺や奈良公園など、有名観光スポットが多い奈良県。奈良県には、昔から親しまれてきた郷土料理がたくさんあります。今回は、奈良県で観光客にお勧めしたい郷土料理を、厳選してご紹介していきます。観光の際はぜひ、郷土料理を味わって奈良のグルメを楽しまれてください。
奈良市の郷土料理
奈良漬
「奈良漬」は、奈良市のおすすめ郷土料理。奈良時代から作られていた、大変歴史の古いお漬物です。奈良県全体に伝わる郷土料理ですが、平城京があった奈良市が発祥の地と言われています。現在では、全国的にも知られる郷土料理となりました。
「奈良漬」はもともと粕漬として、一部の階級の貴族だけが知る高級品でした。江戸時代になってから「奈良漬」と呼ばれるようになり、庶民の間にも多く広まっていったようです。
「奈良漬」の食材は白瓜が一般的ですが、キュウリや大根、生姜などの奈良漬けもあります。保存食に適した「奈良漬」は、香りの良さも特徴のひとつ。食材を塩漬けにしたあと、酒粕に何度も漬けながら作っていきます。
奈良漬けのおすすめ店はココ!
奈良県にはいくつものお漬物店がありますが、奈良漬の老舗と言えば、奈良市にある「今西本店」。純正の奈良漬けを販売する唯一のお店で、10年以上も漬けこまれた真っ黒な奈良漬が人気です。
若草鍋
「若草鍋」は、奈良市の郷土料理。奈良公園の中にある旅館が考案した鍋料理で、華やかなお鍋は観光客にもおすすめです。「若草鍋」の名前は、若草山をイメージし、作家の志賀直哉さんが名づけられたそうです。
「若草鍋」の具材は全部で16種類。伊勢海老・鯛・ハモなど、高級食材がたっぷり入っています。お鍋は昔ながらの炭火で提供。魚介のお出汁が効いたお鍋は、和食のブイヤベースと言われています。
若草鍋がが食べられるのはココ!
「若草鍋」を考案したのは、奈良公園の中にある旅館「江戸三」。10月~3月の期間限定メニューで、ご宿泊でないお客さんも食事が可能です。ここでしか味わえない郷土料理を、ぜひ食べに訪れてみてください。
大和の郷土料理
にゅうめん
「にゅうめん」は、大和地方のおすすめ郷土料理。一般的に温かいそうめん全般のことで、大和地方が発祥の地とされています。
「にゅうめん」の種類は、麺をいっしょに煮込むものと、ゆでたそうめんに温かいつゆをかけるものがあります。
椎茸やエビなど、上にのせる具材も様々。夏に食べるそうめんとは一味違う雰囲気で、「煮麺」が変化し「にゅうめん」と呼ばれるようになったそうです。
にゅうめんが食べられるのはココ!
大和地方のそうめんと言えば、桜井市に本社がある「三輪山本」のそうめんが有名です。三輪そうめんは創業300年を超える乾麺の製造会社。併設された食事処があり、シンプルな「にゅうめん」から、にしん入りのものまで本場の「にゅうめん」を楽しむことができます。
ので、郷土料理の「にゅうめん」がいただけます。売店には色んな種類の三輪そうめんが販売されているので、奈良のお土産にぜひどうぞ。
大和の茶粥
「大和の茶粥」は、大和地方のおすすめ郷土料理。お茶で炊いたおかゆは、大和地方では常食として親しまれてきました。「大和の茶粥」の歴史は古く、1200年以上前から食されてきました。
炊いたご飯にお茶を入れて作るものを、入れおかゆ。米からたくおかゆを、揚げ茶粥と言います。さらっとしたおかゆは、食欲がない時でも食べやすく、優しい味わいが特徴。大和の暑い夏にも重宝されてきました。
具材は少なめで、好みによって野菜などを加えていただきます。さつまいもなどを入れると甘みが増します。ティーバッグ入りのお茶を使って作ることもできるので、家庭で気軽に作れる郷土料理です。
飛鳥地方の郷土料理
飛鳥鍋
「飛鳥鍋」は、橿原市のおすすめ郷土料理。橿原市や明日香村などで広まった鍋料理で、牛乳に白みそや鶏ガラスープを加えて作ります。
牛乳を使った料理は元々海外から伝わったもので、「飛鳥鍋」の歴史は飛鳥時代までさかのぼります。
材料は鶏肉を中心に、白菜や椎茸などの具材が一般的。家庭でも作りやすいレシピなので、試してみてはいかがでしょうか。
飛鳥鍋が食べられるのはココ!
飛鳥鍋に興味がわいてきたら、ぜひ本場の飛鳥鍋を食べに行きましょう!明日香村にある「めんどや」は、おいしい飛鳥鍋が食べられる人気店。地鶏と季節の野菜を使った飛鳥鍋が楽しめます。
万葉おやき
「万葉おやき」は、明日香村のおすすめ郷土料理。そば粉入りの小麦粉生地で、たっぷりの野菜を包んだ、お饅頭のようなグルメです。おやきは信州のものがよく知られていますが、飛鳥地方でも昔からよく食べられていました。
焼いたおやきが一般的ですが、「万葉おやき」は、生地を揚げていることが特徴。もっちりとしており、ざく切り野菜がホクホクしたた食感です。
万葉おやきが食べられるのはココ!
「万葉おやき」のおすすめ店は、明日香村にある「懐石 神籬(ひもろぎ)」。イートインコーナーで食べられますが、冷凍ものが販売されているので、奈良観光のお土産にもぴったりです。
吉野の郷土料理
柿の葉寿司
「柿の葉寿司」は、吉野地方のおすすめ郷土料理。江戸時代から伝わる保存食のひとつで、柿の葉に巻かれた押し寿司です。奈良県全体でよく見かけるグルメですが、吉野地方が発祥とされています。夏祭りなどに振舞われていました。
サバなど塩漬けにしたお魚を、酢飯にのせて葉でくるみます。柿の葉は殺菌作用があるので、保存に重宝されてきました。
柿の葉寿司が食べられるのはココ!
「柿の葉寿司」のおすすめ店は、「平宗本店」。柿の葉寿司の老舗店で、単品の柿の葉寿司からコース料理まで、郷土の味を楽しむことができます。
十津川村・天川村の郷土料理
柚餅子
「柚餅子(ゆうべし)」は、十津川村のおすすめ郷土料理。柚子をまるごと乾燥させて作る保存食品で、十津川村など秘境のような場所で言い伝えられてきました。真っ黒な見た目「柚餅子」は、干し柿にも似た雰囲気。お茶請けやお酒のおつまみにも最適で、薄く切ってから食べます。
「柚餅子」の作り方ですが、まずは柚子のヘタ部分をカットし、中の実をくり抜きます。その中に味噌・くるみ・大豆など練ったものを投入。ヘタの部分でふたをしたら、そのまま蒸します。蒸しあがった物を、3か月ほど乾燥させたら出来上がりです。
柚餅子が買えるのかココ!
「柚餅子」は健康食品としても人気が高く、長寿になれると言われています。お茶請けにもぴったりです。十津川村の道の駅などで購入できますので、ぜひお土産にどうぞ!
さんまなれ寿司
「さんまのなれ寿司」は、十津川村のおすすめ郷土料理。さんまを丸ごとのせた珍しいお寿司で、お正月によく作られる料理です。
発酵食品として知られる「なれ寿司」は、奈良県周辺では大変重宝されてきました。具材はサンマの他にもサバやアユなど地域によって違いがあるようです。
「さんまのなれ寿司」の作り方は、秋ごろに捕れるサンマを塩漬けしておき、塩を抜いたあと柚子に漬けます。
骨を取り除いたら、酢飯の上にサンマを一尾丸ごとのせ、シダの葉を入れて1か月近く発酵。出来上がりは芳醇な香りで、食べやすいサイズにカットしてからいただきます。
さんまのなれ寿司が食べられるのはココ!
「さんまのなれ寿司」は、十津川村周辺の道の駅などで購入ができます。十津川村へ観光に出かけたら、ぜひ郷土のなれ寿司を見つけてみてください!
いもぼた
「いもぼた」は、天川村のおすすめ郷土料理。じゃがいもとお米でできたシンプルなおやつで、天川村では昔から親しまれてきた郷土料理です。
「いもぼた」の作り方はとっても簡単。まず細かく切ったじゃがいもと、お米を混ぜて炊きます。炊きあがった物を練って形にしたら、両面を焼いて出来上がり。塩だけで味付けますが、じゃがいもとお米のホクホク感が心地よい素朴なグルメです。
いもぼたが食べられるのはココ!
「いもぼた」が食べられるおすすめ店は、「小路の駅てん」。天川村で採れる野菜や、お土産を販売している直売所です。テイクアウトの「いもぼた」は1個150円。イートインスペースで食べられる、気軽な御膳なども提供しています。