兵庫で観光客にお勧めしたい郷土料理を厳選
2024年09月09日(月)/兵庫
本州では、南北を瀬戸内海と日本海に接している唯一の県であり、東西にも幅広い事から、近畿地方では最大の面積を誇っている「兵庫県」。その面積の大きさから、兵庫県内には多くの種類の海の幸や山の幸を使った郷土料理や、ご当地グルメがたくさんありますね。実は兵庫県は、知る人ぞ知る郷土料理の一大宝庫。今回は兵庫で観光客にお勧めしたい郷土料理を厳選してご紹介いたします。
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Contents
神戸の郷土料理
【神戸ビーフ】
日本全国のみならず、世界的にも高級ブランド肉として有名な「神戸ビーフ」は、兵庫県内で生産された但馬牛に与えられたブランド。近江牛・松坂牛と並んで三大和牛と称される但馬牛の中でも、枝肉が一定の基準に達した場合に与えられるブランド名で、その肉質はきめ細かく、脂肪分が低い温度で溶ける事から大変美味しく、海外にも多くのファンがいます。
神戸市内にはA5クラスの最上級肉から、リーズナブルな価格の「神戸ビーフ」を味わう事が出来るお店が数多くあり、一度は食べて欲しい神戸の代表的食材の一つ。「神戸ビーフ」にまつわる一番有名なエピソードとして、アメリカのプロバスケット選手のコービー・ブライアントの名前の由来になった事や、オバマ大統領が来日時にわざわざリクエストした事が挙げられますね。
【そばめし】
神戸発祥のB級グルメとして、現在では全国的にも有名な「そばめし」。冷凍食品が発売されるほどの人気メニューですが、このメニューのルーツは長田区の小さなお好み焼き屋で昼食をとっていた工員が、焼きそばと一緒に、弁当の冷ご飯と炒めてもらった事です。
焼きそばと焼飯のハイブリッドですが、ご飯を炒める時に麺を細かく刻むのがポイント。麺を短く刻むと、お好み焼きのコテやスプーンで食べやすくなりますから、麺と御飯の一体感のある味を楽しむことができるでしょう。
神戸の地ソースで味付けられた「そばめし」は、一度は食べて欲しい郷土料理の一品です。
【ぼっかけ】
「ぼっかけ」も長田区発祥の牛すじ肉とコンニャクを甘辛く煮た料理で、焼きそばや焼うどん、お好み焼きの具として重宝されていて、「そばめし」の具としても欠かす事の出来ない必須アイテムですね。
「ぼっかけ」を具に作られた「そばめし」は非常に人気が高く、専門店も現れて全国展開するほどの人気メニュー。
カレーの具やラーメンのトッピング材料としても用いられている「ぼっかけ」ですが、材料として用いられているだけではなく、単品でもお酒のあてとして食べられており、長田のソウルフードとして多くの方に愛されています。
【豚まん】
全国的には「肉まん」や「中華まん」と呼ばれていますが、発祥の地ここ神戸では、多くの人から「豚まん」と呼ばれて愛されています。日本の豚まんの歴史は神戸から始まりましたが、それは1915年に現在の「老翔記」が「豚饅頭」を発売した事がきっかけでした。
当時は「神戸のぶたまんじゅう屋」と親しまわれていて、神戸に来た中国人船員が故郷を偲び、大勢の人が買いに来ていたそうです。
今ではすっかり全国的な食べ物となった「豚まん」ですが、神戸の三大豚まんである「老翔記」、「三宮一貫楼」、「四興楼」が中心となって「神戸豚まんサミット」が開催されるなど、現在でも昔ながらの変わらぬ味を提供し続けています。
明石の郷土料理
【いかなごの釘煮】
神戸や明石で春の訪れを告げる料理が、「いかなごの釘煮」。神戸や明石だけではなく、淡路島や播磨地方でも作られている「いかなごの釘煮」は、近年でこそ全国的に有名な料理として認知されていますが、兵庫県では瀬戸内沿岸部だけで作られていた、ローカルな料理でした。
佃煮的なこの料理は、春先に水揚げされる生の「新子」を、砂糖・醤油・生姜で煮詰めた物で、折れた釘の様な出来上がり具合から、「いかなごの釘煮」と呼ばれています。
神戸や明石に水揚げされた新鮮な新子を求めて多くの人が買い物に出かけ、大量に釘煮を炊き上げる様子は、神戸や明石の風物詩。
ご飯に良く合い保存性の高い事から、現在では全国通販されていますが、やはり炊き立ての釘煮を地元で食べて欲しいものですね。
【玉子焼き】
全国的に有名なのは大阪の「たこ焼き」ですが、実はこのたこ焼きのルーツである郷土料理が、明石の「玉子焼き」です。神戸では「明石焼き」とも呼ばれている「玉子焼き」は、たこ焼きと同じ様にタコを具として用いていますが、生地の成分・焼き方・食べ方は全くの別物ですね。
生地には卵をメインに出汁で味付けをして、ネギや生姜を入れずに、トロトロの半生に近い状態で焼き上げ、熱々の出汁に浸けて食べるのが地元明石流の食べ方。
発祥の地である明石市には、数多くの「玉子焼き」店があり、県外からも車を飛ばしてまで来店する客で行列が出来るほど、大変人気のある郷土料理です。
神戸では通常のたこ焼きを出汁で食べる「神戸たこ焼き」もありますから、大阪・神戸・明石と食べ較べをしてみるのも面白いと思います。
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加古川・高砂・姫路の郷土料理
【かつめし】
「かつめし」は、加古川市の洋食屋で創作された郷土料理で、コンセプトはズバリ「箸で食べられる洋食」。皿に盛ったご飯の上に、デミグラスソースのかかったビフカツやトンカツを乗せて、茹でキャベツを添えたシンプルな料理で、戦後間もない頃の食堂で考案されました。
カツは、箸で食べやすい様に一口サイズにカットされています。カツにかけられているデミグラスソースはお店ごとに独自にブレンドされ、デミグラス以外にもとんかつソースをアレンジして味付けするなど、各店がオリジナルソースの味で個性を競っています。
一時は後継者不足で伝統の味を失いかけたお店もありましたが、現在では学校給食に出されるなど、加古川のご当地グルメとして愛されています。
【にくてん】
もともと高砂市では「お好み焼き」の事を「にくてん」と呼んでいましたが、大阪のお好み焼きとの大きな違いは、生地の中にキャベツ等の具材を混ぜ込まず、広げた生地の上に材料を乗せて焼くと言う、重ね焼きのスタイルの点ですね。
焼き方以外では、具材にジャガイモやすじ肉を使うのも、「にくてん」ならではのレシピです。
「関東煮」を食べた翌日に良く作られたと伝えられているこの「にくてん」は、昔から駄菓子屋等でも作られて、子供たちがよく食べていたそうです。
現在で言うところの、ファストフード感覚でしょうね。
【姫路おでん】
日本人のソウルフードとして、非常に人気の高い料理なのが「おでん」ですが、この「おでん」を生姜醤油で食べるのが、姫路のご当地グルメである「姫路おでん」。
もともと姫路や相生地方では、おでんを生姜醤油で食べる習慣が一般的にありましたが、2006年に町おこしの一環として、この郷土料理を「姫路おでん」と命名し、ご当地グルメとして全国に発信しました。
おでんの上から生姜醤油をかけても、小皿に分けた生姜醤油に浸けても、濃口醤油や薄口醤油をベースにした生姜醤油で食べるスタイル全て「姫路おでん」と定義されています。
この姫路独特の食べ方である「姫路おでん」、白鷺城を眺めながら食べてみてはいかがでしょうか?