京都の老舗宿の御三家と呼ばれる三大旅館
2024年12月04日(水)/京都
京都の中で、老舗宿の御三家と呼ばれる三大旅館を紹介します。
敷居が高いイメージの京都も最近は気軽にアクセスできるところが多くなりました。格安なパックがもてはやされ、コストパフォーマンスが評価される時代ではありますが、京都といえばやはり伝統と格式。いま一度、ホンモノの京都を見直してみるのはいかがでしょう。一流のおもてなしに出会うことができます。
PR
[ad#ad-1]
俵屋旅館(たわらやりょかん)
出典:allabout.co.jp
京都の中心部、市役所にほど近い麩屋町通沿いにあります。
創業は300年以上前にさかのぼり、当初は呉服業だったそうですが、徐々に宿として定着していったそうです。幕末の蛤御門の変にて全焼した後、明治のはじめに建て直されたのが現在の本館です。戦後、新館が建築されました。
本館は改修を繰り返していますが、比較的狭い空間の中にきめの細かいしつらえが施されています。客室のガラス窓越しに坪庭が見えてゆったりくつろげます。
基本的には和室ですがベッドを置いて高齢者や海外の要人への気遣いも感じられます。映画監督のスピルバーグやAPPLE社の創始者であるスティーブ・ジョブズなど著名人も宿泊されているとか。
宿の近くにはオリジナルグッズを扱うショップ「ギャラリー遊形」があります。俵屋旅館のアメニティも購入できます、天然成分をふんだんに盛り込んだ高級石鹸が有名です。
【俵屋旅館の案内】
住所:京都市中京区麩屋町通姉小路上ル中白山町
電話:075-211-5566
【ギャラリー遊形の案内】
住所:京都市中京区姉小路通麸屋町東入ル
電話:075-257-6880
営業時間:10:00~19:00
定休日:第1・3火曜休(祝日の場合は営業、4~5月・10~11月は無休)
炭屋旅館(すみやりょかん)
出典:www.kyotodeasobo.com
もともとは大正時代、茶人や謡いの同好者が集まる拠点であったそうです。徐々に宿として利用されるようになり宿泊業にシフトしていきますが、建物やおもてなしなどに茶道のセンスが活かされています。
玄関までの間の石畳は茶室の雰囲気を醸し出しています。また、敷地の中には数寄屋造りの茶室が設けられています。日頃からお茶によって客をもてなしていますが、特に先代の命日にあたる毎月7日と17日には宿泊客を招いた茶会が開かれます。食事は旬の京料理が並ぶ茶懐石です。宿泊なしの昼食、夕食のみの利用も可能です。
客室は基本的に和室のしつらえで、茶室風の床の間が設けられています。ベッドを置いた部屋もあり高齢者にも配慮されています。
柊家(ひいらぎや)
出典:www.hiiragiya.co.jp
1864年、運送業から転じて宿泊業を開始。150年の歴史の中で数々の文豪や皇族をもてなしてきました。文豪、川端康成は「柊家ほど思い出の多い宿はない」と言って柊家をこよなく愛していたそうです。
玄関にある額縁の「来者如帰」(らいしゃにょき)が有名で、文字通り、家に帰ってきたかのように客にくつろぎを提供するというコンセプトです。屋号が柊「屋」でなく、柊「家」であるところもその精神の現れかと思います。
ギザギザの葉が特徴的なヒイラギ(柊)は古くから邪気を祓うと伝えられています。ヒイラギの葉の模様の入った座布団や、ヒイラギの葉の形の部屋の鍵など、これでもかというくらいアメニティには柊の葉の模様が施されています。パワースポットのような宿ということでしょうか。
ヒノキ造りの木造二階建ての本館と2006年に増設された鉄筋三階建ての新館とがあります。家族風呂にはステンドグラスの装飾が施されていて必見です。
旅館というと畳の部屋に布団を敷くイメージが強いですが、古くから外国人を受け入れ、また、最近は高齢者への配慮という観点からベッドを導入しているところが増えているそうです。老舗とはいえ、日本人の生活習慣の洋風化などへの対応など、伝統と格式へこだわりながらのきめの細かい配慮がうかがえます。それほど広くない敷地に工夫をこらして、最大限のしつらえを引き出すというのは日本人ならではの心づくしでしょう。
3つの老舗旅館はかなり近接した場所にあります。柊家と俵屋旅館にいたっては通りを挟んだ向かい合わせです。麩屋町通りを少し歩いてみるだけで古き良き時代の京都の雰囲気が味わえるかもしれません。
気になる料金ですが部屋のタイプや時期、その他のオプションによりますが、通常時の平日、1泊2食付きで3万数千円くらいからとなっております。
是非行ってみてくださいね。