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継承されてきた!近江の伝統的工芸品を厳選

2018年04月26日(木)/滋賀


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出典:「滋賀県提供」

近江(滋賀県)には、40品目以上の伝統的工芸品が継承されています。これらの伝統的工芸品は、近江の全体にまんべんなく見ることができます。なぜ多くの伝統的工芸品が、現在まで継承されているのでしょうか。このページでは、近江(滋賀県)の伝統的工芸品の中から10品目を厳選し、伝統的工芸品が受け継がれてきた理由と継承されている主なエリアをご紹介します。

経済産業大臣が指定する近江の伝統的工芸品

経済産業大臣が指定する近江の伝統的工芸品

出典:「滋賀県提供」

1974年(昭和49年)に「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」が制定されました。この法律に基づき、近江の伝統的工芸品として、「彦根仏壇」、「信楽焼」、「近江上布」の3品が経済産業大臣より指定されています。近江の伝統的工芸品の中でも、企業数、従事する従業員数共に経済産業大臣が規定する規模を超えている伝統的工芸品です。

指定基準は、次の要件をクリアーすることです。

1.主として日常生活の用に供されているもの。

2.製造過程の主要部分が手工業的であるもの。

3.伝統的技術または技法によって製造されるもの。

4.伝統的に使用されてきた原材料を使用していること。

5.一定の地域で産地形成されていること。

(具体的要件として)

10企業以上、または30人以上が製造に従事していること

100年以上の歴史を有すること

滋賀県知事が指定する近江の伝統的工芸品

滋賀県知事が指定する近江の伝統的工芸品

出典:「滋賀県提供」

滋賀県知事が近江の38品目を、経済産業大臣が指定する近江の伝統的工芸品の要件には該当しないものの、充分に伝統的工芸品として認められるのものとして指定しています。具体的な要件の内の企業数、従事する従業員規模が、経済産業大臣の指定要件をクリアー出来ないものを滋賀県として価値を認めています。近江の伝統的工芸品には、琵琶湖との関わり、東海道・中山道・北国街道との関わり、京都との関わりが見られます。すべての伝統的工芸品が、地域の生活と密接に関わり、歴史の中で培われてきました。

近江の伝統的工芸品「彦根仏壇」

近江の伝統的工芸品「彦根仏壇」

出典:「滋賀県提供」

彦根仏壇の起源は、徳川時代中期頃だといわれています。泰平の世が定着するとともに、甲冑などの製造が衰退していきました。武器製造の技術が、木地師、宮殿師、彫刻師、漆塗師、金箔押師、蒔絵師、錺金具師に分化して、彦根仏壇造りに転用されました。彦根周辺での仏教の盛んな風潮と、キリシタン禁教のため立派な仏壇を設置させる施策が結びつき、彦根仏壇の地位を確立させました。彦根周辺は、現在でも仏教の盛んなエリアで、時代が推移しても彦根仏壇の必要性が失われませんでした。彦根仏壇は、1970年(昭和50年)に経済産業大臣から伝統的工芸品に指定されています。

問合せ先:彦根仏壇事業協同組合

所在地:滋賀県彦根市中央町3-8

電話番号:0749-24-4022

伝統的工芸品が継承される主なエリア:滋賀県彦根市およびその周辺

近江の伝統的工芸品「信楽焼」

近江の伝統的工芸品「信楽焼」

出典:「滋賀県提供」

信楽周辺は、良質の陶土に恵まれ中世より壺や甕などが焼かれていました。茶道が隆盛してきた桃山時代以降は、茶器の生産が増え日本六古窯のひとつに数えられました。時代の推移と共に、火鉢、建築用タイル、陶板、タヌキの置物、フクロウの置物、傘立て、庭園陶器と焼くものは変化しましたが、信楽焼の技法や技術は継承されて現在に至っています。信楽焼といえばタヌキの置物というぐらいタヌキのイメージは強烈ですが、本来の信楽焼はタヌキの置物とは異なる焼き物です。信楽焼は、1976年(昭和51年)に経済産業大臣から伝統的工芸品に指定されています。従事する企業や従業員数では、伝統的工芸品として滋賀県で最大の規模を誇っています。現在も信楽焼が必要とされている証です。

問合せ先:信楽陶器工業協同組合

所在地:滋賀県甲賀市信楽町江田985番地

電話番号:0748-82-0831

伝統的工芸品が継承される主なエリア:甲賀市信楽およびその周辺

近江の伝統的工芸品「近江上布」

近江の伝統的工芸品「近江上布」

出典:「滋賀県提供」

上布(じょうふ)とは、大麻と苧麻を平織りしてできる上等な麻布のことです。滋賀県東近江市、愛知郡愛荘町、犬上郡多賀町で生産される伝統的工芸品に近江上布があります。上布の中でも上質で上布を代表するといわれています。近江上布は、鎌倉時代にはじまり、明治時代に最盛期を迎えました。絣模様と手もみの細かいシボが特徴で、数ある上布の中で上質という評価を得ることで現在まで継承されています。近江上布が、経済産業大臣から伝統的工芸品に指定されたのは、1977年(昭和52年)です。

問合せ先:滋賀県麻織物工業協同組合

所在地:滋賀県愛知郡愛荘町愛知川13-7

電話番号:0749-42-3246

伝統的工芸品が継承される主なエリア:

愛荘町、東近江市、多賀町およびその周辺

近江の伝統的工芸品「草木染手組組紐」

近江の伝統的工芸品「草木染手組組紐」

出典:「滋賀県提供」

江戸時代中頃から始まったと伝えられる滋賀県知事指定伝統的工芸品に、草木染手組組紐があります。飾りひもとして渡来したものが、帯留めや羽織ひもなど和装の他、武具や茶道具の飾りとして普及してきました。丸台、角台、綾竹台、内記台などの組台で、100種類以上の組紐が組まれています。草木染めしているところに特長があります。和服文化がある限り必要な伝統的工芸品です。

問合せ先:有限会社籐三郎紐

所在地:滋賀県大津市逢坂1丁目25-11

電話番号:077-522-4065

伝統的工芸品が継承される主なエリア:大津市

近江の伝統的工芸品「大津絵」

近江の伝統的工芸品「大津絵」

出典:「滋賀県提供」

江戸時代初期頃から大津の名産と伝えられる滋賀県知事指定伝統的工芸品に、大津絵があります。仏画として始まったものが、鬼の寒念仏、長頭翁、藤娘、文読む女、傘さす女、女虚無僧、瓢箪鯰などの世俗画に発展し、仏画、風刺画、武者絵、美人画、鳥獣画などに分けられます。仏画は、キリシタン禁教時に庶民の免罪符のような役割をはたしたといわれています。美術工芸品として贈答にも使われる伝統的工芸品です。

問合せ先:大津絵の店

所在地:滋賀県大津市三井寺町3−38

電話番号:077-524-5656

伝統的工芸品が継承される主なエリア:大津市

近江の伝統的工芸品「膳所焼」

近江の伝統的工芸品「膳所焼」

出典:「滋賀県提供」

大津で焼かれる滋賀県知事指定伝統的工芸品に、膳所焼があります。1621年(元和7年)に、膳所藩主である菅沼定芳が御用窯として始めたもので、別名を御庭焼ともいいます。江戸時代の茶人小堀遠州が好んだ遠州七窯の一つといわれ、大名間の贈答品として重宝されていました。その後、途絶えていましたが復活し現在に至っています。芸術品、美術品としての価値も高く、美術館が収集展示しています。美術工芸品としても実用品としても価値のある伝統的工芸品です。

問合せ先:公益財団法人 膳所焼美術館

所在地:滋賀県大津市中庄1丁目22-28

電話番号:077-523-1118

伝統的工芸品が継承される主なエリア:大津市膳所およびその周辺

近江の伝統的工芸品「近江真綿」

近江の伝統的工芸品「近江真綿」

出典:「滋賀県提供」

江戸時代中期から米原周辺で生産される滋賀県知事指定伝統的工芸品に、近江真綿があります。真綿とは、蚕の繭を煮た物を引き伸ばしたシルクのことです。保温性、抗菌性、抗酸化作用、消臭作用などに富み、布団、綿帽子、防寒着の保温材としての詰め物に使われてきました。化学繊維万能の時代ですが、近江真綿の良さが認識されています。実用品としても価値のある伝統的工芸品です。

問合せ先:米原市商工会

所在地:米原本所  米原市下多良3丁目1番地1

電話番号:0749-52-0632

伝統的工芸品が継承される主なエリア:米原市およびその周辺

近江の伝統的工芸品「ビロード」

近江の伝統的工芸品「ビロード」

出典:「滋賀県提供」

江戸時代中期から長浜周辺で生産される滋賀県知事指定伝統的工芸品に、ビロードがあります。ビロードは南蛮船によって持ち込まれたもので、西陣で生産が開始されその技術が長浜に伝わったといわれています。ベルベットともいわれ、現在国内での生産は滋賀県のみとあっています。生産を独占している伝統的工芸品です。

問合せ先:近江ベルベット株式会社

所在地: 滋賀県長浜市石田町533

電話番号:0749-62-1235

伝統的工芸品が継承される主なエリア:長浜市

近江の伝統的工芸品「ろくろ工芸品」

近江の伝統的工芸品「ろくろ工芸品」

出典:「滋賀県提供」

近江は山林資源の豊富なところです。琵琶湖が大きな面積を占めますが、広い範囲が山林です。この山林資源を使った近江の伝統的工芸品がろくろ工芸品です。東近江市永源寺君ヶ畑が発祥の地といわれていますが、その技術が長浜に伝わり伝承されてきました。茶托、茶ひつ、なつめ、茶器、茶筒、丸盆、独楽(こま)等が生産されています。

問合せ先:片山木工所

所在地:長浜市三ツ矢町7-7

電話番号:0749-62-9804

伝統的工芸品が継承される主なエリア:長浜市およびその周辺

近江の伝統的工芸品「高島扇骨」

近江の伝統的工芸品「高島扇骨」

出典:「滋賀県提供」

江戸時代から高島で生産される滋賀県知事指定伝統的工芸品に、高島扇骨があります。高島扇骨は扇子の骨で、扇骨に紙を貼ったものが扇です。全国の約90%を高島で生産していて全国1位の規模を誇っています。近江の伝統的工芸品である高島扇骨が、京都に代表される日本の文化を支えています。

問合せ先:滋賀県扇子工業協同組合

所在地:滋賀県高島市安曇川町田中89

電話番号:0740-32-1580

伝統的工芸品が継承される主なエリア:高島市およびその周辺

近江の伝統的工芸品には継承される訳がある

近江(滋賀県)の伝統的工芸品をご紹介してきました。経済産業大臣が指定する近江の伝統的工芸品が3種、滋賀県知事が指定する近江の伝統的工芸品が38種の合計41種の伝統的工芸品が近江にあります。工房を見学解放しているところや体験メニューを用意しているとこがあります。事前連絡の上、出かけてみてはいかがでしょうか。